エリオット波動でトレンドを見極める
エリオット波動は相場にはパターンがあって一定のサイクルを繰り返しながら動くという理論です。
エリオット波動の基本形
エリオット波動の基本形は上昇5波と下降3波の合計8波となります。
上昇5波は1波、2波、3波、4波、5波
下降3波はA波、B波、C波
と表示します。
※下降トレンドの場合は下降5波、上昇3波
上昇トレンドの時は5つの波で上昇し、3つの波で下降します。
逆に下降トレンドの時は5つの波で下降し、3つの波で上昇します。
エリオット波動の3原則
原則①:1波、3波、5波の中で3波が一番短くはならない
原則②:2波の終点が1波の始点を超えない
原則③:4波の終点が1波の終点を割らない
この条件から外れた場合見ている波が違う可能性があるので再度分析しなおしましょう。
ただし、これはサイクル理論など他のテクニカルでもそうですがイレギュラーな事も有るので100%こうだと決めつけずに相場分析に活かしていく事が大切です。
エリオットはフラクタル構造
エリオット波動は各時間軸に存在します。
ですのでエリオット波動の中にエリオット波動が存在するというフラクタル構造になります。
例えば上図の白い線が60分足、青い点線が5分足だとします。
そうすると60分足の1波の中に5分足の5波分が、60分足の2派の中に5分足の3波分が存在する事になります。
また黄色い点線は日足のエリオットとなり60分足の5波分は日足の1波の中に、60分足の3波分は日足の2波の中という構造です。
※足のカウントは仮定です。
ダウ理論、フィボナッチとの関係
この後各波について細かく説明しますが、エリオット波動で相場分析をするのにダウ理論とフィボナッチを併用する事で更に精度の高い分析が可能になります。
まだダウ理論を理解していなかったり、フィボナッチリトレースメントが使えないという方はこちらも確認しておいて下さい。
【ダウ理論び記事はこちら】
【フィボナッチリトレースメントの記事はこちら】
各波の性質
上昇トレンド中の上昇5波、下降3波と仮定して説明します。
①1波
1波、3波、5波の中で最も短くなる事が多い
トレンド転換初期なのでなかなか気づきにくい
トレンドのスタートとなる波なので取れれば大きいポイントです。
トレンド転換となるサインが重なっていればエントリーを狙うのも有りですが、トレンドに対する逆張りになるのとトレンド転換に気づきにくいので狙わなくても良い波です。
トレンドが始まったのかな?程度の認識で問題ありません。
仮に狙う場合はトレンドが継続している場合があるので損切を徹底しましょう。
②2波
1波での上昇に対する調整下落で目安は50%~61.8%戻し
1波の大部分を戻しにくるが1波の始点は超えない
トレンドが始まっている場合1波の調整下落なので狙う場所ではありません。
2波での調整が終わって3波を狙う為の待機ゾーンになるのでしっかりエントリーポイントを待ちましょう。
③3波
上昇5波の中で一番長く上昇トレンドになった事が明確にわかる
1波の161.8%になる事が多い
それ以上伸びると261.8%などが目安になる
8波の中で一番とりたい波です。
3波は多くのトレーダーが狙っている場所でエントリーも増えるのでトレンドが伸びます。
2波の調整が終わって3波のサインが出たら積極的に狙っていきましょう。
④4波
3波での上昇に対する調整下落で1波の終点付近まで下落する事もある
しかし4波の終点が1波の終点と重なる事は絶対に無い
2波と同じく上昇トレンド中の下落調整なので狙う必要はありません。
4波の終点が1波の終点と重なる事は絶対に無いのでフィボナッチなどを使い転換ポイントまで落ちれば5波の上昇を狙う事が出来ます。
⑤5波
短期的な値動きになる事が多い
1波と同じくらの値幅になる事が多いが、3波が1波の161.8%より拡大した場合200%や261.8%になる事がある
オシレーター系でダイバージェンスが見られやすい
ダイバージェンスについてはこちら
上昇トレンドの最終局面なので利確売りや新規売りが出てくる波です。
3波の終点を超えないケースもあるので4波の終点付近から入れていない場合はエントリーを見送った方が安全です。
⑥A波
5波の調整に見えてしまうのでほとんどのトレーダーがまだ強気で押し目と見られやすい
1波と同じくらいの値幅になりやすい
A波に入ったかどうかは確認しにくいのでエントリーは見送る波です。
A波の終点が4波の終点(5波の始点)を下回った場合はC波が取れるように狙っていきましょう。
⑦B波
A波の38.2%、50%、61.8%、100%などが目安になるが5波の終点を超える事もある
5波終点を超えてから落ちる事もあり判断しにくい波です。
⑧C波
エリオット8波のうち最後の波
A波の終点を超えない事がある
A波の終点を超えた場合伸びる場合がある
2波と4波は交替する
2波と4波は交替する法則があります。
2波が単純な動きの時に4波では複雑な動きとなり、2波が複雑な動きの時は4波では単純な動きになります。
2波の動きがどうだったかによって4波の動きを予測する事が出来るという事です。
通常は2波の方が単純な動きになりやすいと言われています。
エクステンション
1波、3波、5波のどれかに延長が生じる事があります。
主に3波が延長しやすいと言われていますが実際のチャートでは1波、5波も結構延長します。
大きくは5波構成ですが視覚的に9波に見える事があります。
3波がエクステンションした場合↓
まとめ
エリオット波動は環境認識の一つとして使って行きましょう。
慣れるまでは3波のみを取るようにしていけば損小利大が狙えます。
「頭としっぽはくれてやれ」という言葉は聞いた事があると思います。
ここで言う頭は1波なので見送りましょう。
そして2波の押し目をしっかりまって安値切り上げで反転したのを確認して3波でロングエントリーしていきます。
そしてしっぽの部分はどこになるかというと僕は5~A派と考えています。
しっぽを捨てようと3波の途中で利確を早まる人がいますが、3波がエクステンションした場合取れるはずの利益を失う事になります。
この場合5波、A波、B波と待ってA波が5波の始点を超えた場合、B波が5波の終点を超えなかった場合、B波が5波を超えたけどすぐ戻してC波がA波の終点を超えた場合などに利確をしてしっぽを切り捨てます。
※あくまでもエリオット波動のみでの一例で実際には他のテクニカルと組み合わせてもっと複雑になります。エントリーポイントも損切ポイントも利確ポイントも複雑に増えます。
この辺はプロスペクト理論も関係してくるのでこちらも確認しておいて下さい。